コンクリートのひび割れ補修工法を総ざらい!ひび割れ幅ごとに最適な種類を選定しよう

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土木技術者として必須の資格として、コンクリート技士試験、一級土木施工管理技士試験があります。

両者ともに頻出問題となるのが、コンクリートの補修工法です。

皆さんは補修工法について、どこまでご存じでしょうか?

表面処理工法、注入工法、充填工法、と大きく3つに分かれることまではご存知かもしれませんが、その使用材料や施工方法、留意点など詳細についてはご存じないのでは無いでしょうか?

いざ補修が必要となった際は、スピーディな処置を求められ、焦りと不安から判断が鈍りがちです。

そんなとき、事前の予備知識があれば心にゆとりを持ち、着実に解決できます!

そこで今回は上記3つの補修工法をもう1段階掘り下げて解説します。

 

この記事を最後まで読むと、下記ができるようになります。

1. 資格試験のための丸暗記ではなく、具体的なイメージや感覚を育てることで、言い回しを変えた応用問題にも適応できる知識として身につけられます。

2. 各補修工法の違いを明らかにし、施工管理者として現場に最適な工法選定・施工指示ができるようになります。

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表面処理工法

表面処理工法の適用範囲は、ひび割れ幅0.2mm以下の小さなひび割れが対象です。

ひび割れ表面に、樹脂系もしくはセメント系の材料で塗膜を行うことで、耐久性向上を図る工法です。

ここで留意点ですが、ひび割れは日々進行するものであり、進行に伴ってひび割れは拡幅します。

塗膜材料には、ひび割れの拡幅に追従できるだけの伸縮性が要求されます。

一般には、塗膜材料としてポリマーセメントペーストやエポキシ樹脂が使用されますが、ひび割れ幅の変化がある場合には、可撓性(かとうせい)エポキシ樹脂を使用します。

※可撓性=伸縮性のことです

注入工法

注入工法の適用範囲は、ひび割れ幅0.2〜1.0mmと幅広いです。

ひび割れに専用の注入器具で材料を注入し、防水性や耐久性の回復、およびコンクリート躯体の一体化が可能です。

躯体の一体化とは、具体的にはコンクリート表面の剥離部を本体と一体化させるというような使い方ができるということです。

注入材料としては、エポキシ樹脂やポリマーセメントモルタル等が使用されます。

ちなみに昔は熟練技能者の手によって手動で注入されていましたが、現在は熟練技能者不足や手動だと注入圧力や速度の管理が困難なために品質のバラツキが大きいということで、専用器具を用いた機械注入方式が採用されています。

注入工法の中で主流となる低速低圧注入工法の名前は覚えておくと良いでしょう。

低圧で周囲の構造へ影響することなくひび割れ深部まで注入が可能な工法です。

ただし、内部鉄筋にサビが発生している場合にサビ除去や防錆処理等の処置は行えないので注意が必要です。

充填工法

充填工法は、ひび割れ幅1.0mm以上の比較的大きなひび割れの補修工法として採用されます。

ひび割れに沿って10mm幅のU字カットまたはV字カットを行い、そこに材料を充填することで、防水性、耐久性を改善する工法です。

充填材料は、エポキシ樹脂やポリマーセメントモルタルが使われます。

ひび割れ幅の変化がある場合には、可撓性エポキシ樹脂や合成ゴム系のシール材が使用されます。

特にひび割れ幅が広い場合には、内部鉄筋の腐食が懸念されるため、その場合は充填前に適切な処置(サビ除去、防錆処理)を行います。

 

以上、コンクリート構造物の補修工法について、本当に必要な要点を簡潔にまとめてみました。

補修が必要となる状況では、焦りとスピーディな対処が求められるため、事前の知識準備が不可欠です。

ぜひここで覚えていって下さい。