水セメント比とは?配合基準と圧縮強度との関係

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水セメント比とは、コンクリート\(1m^3\)に含まれる水の質量をセメント質量で割ったものです。

セメントに対して水の割合が多いほど、水セメント比は大きな値になります。

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混同しやすい単位水量とは

水セメント比も単位水量も水の量を表すものですが、単位水量は絶対量を、水セメント比は割合を示します。

一般に、単位水量はスランプと関係が深く、水セメント比は強度と関連深いです。

水セメント比が大きくてもその絶対量(単位水量)が小さければスランプは小さいですし、単位水量が大きいコンクリートでもそれ以上にセメントを多く含んでいれば十分な強度を発揮できます。

水セメント比とセメント水比

たまにセメント水比という用語を使う人がいますが、こちらはC/Wで表されます。

その名の通り、水セメント比W/Cの逆数をとったものです。

W/Cが大きいということはC/Wで言えば小さくなる、ただそれだけのことです。

基本的には水セメント比W/Cが多数派ですし、そちらで覚えておくのがオススメです。

W/Cはコンクリート強度の肝

水セメント比が小さいほど硬化後のコンクリート強度が大きくなります。

通常のコンクリートの水セメント比が50%程度なのに対し、高強度コンクリートは水セメント比を20%まで落とすことで強度を増大させています。

ブリーディング量の減少に注意

高強度コンクリートのように水セメント比を極端に小さくした場合、コンクリート表面に生じるブリーディング量が減少します。

ブリーディングは脆弱な微小粒子の層をコンクリート表面に構築する嫌なやつでもありますが、同時にコンクリート表面の湿度を保ち、プラスチック収縮ひび割れから守ってくれます。

配合規定

一般的な水セメント比の上限として、無筋コンクリートでは60%、鉄筋コンクリート(RC)では55%に規定されています。

特殊な事例としては、海水の影響を受ける海岸構造物では、無菌で55%、RCで45%を上限としています。

これは、海水からの塩化物イオン侵入リスクが高いものについては、水セメント比を小さくすることで塩害リスクを低減しようという目的から来ています。

また、捨てコンは水セメント比65%まで緩和されてたり、高強度コンクリートでは上限値に関わらずW/C=20%で配合したりと、実際にはバラエティ豊かです。

耐久性と水セメント比

前述した通り、水セメント比を小さくすることで塩害リスクを抑制できるなど、水セメント比は耐久性と関係があります。

水セメント比が小さすぎるとセメント量が増加することで温度応力が増大してひび割れが発生したり、未水和のセメントペーストが残ってしまったりもします。

ただまあ基本的には強度との関係に起因して水セメント比を小さくしようという考え方がメインになってきます。

強度に直結する水セメント比の配合は最重要で、混和材の助けも借りつつ調整していきます。

 

以上、水セメント比の解説でした。

耐久性や混和材に関する記事にも、「はっ!」とする豆知識が隠れていますので、是非チェックしていってください。