コミュニケーションの解答例【技術士二次試験口頭試験対策講座】

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コミュニケーションの定義

技術士に求められるコンピテンシーとしてのコミュニケーションは、関係者の利害調整を行う上での効果的な意思疎通及び協働を指します。

技術士会から公式に明記されている定義は以下のとおりです。

コミュニケーションの定義とは
  • 業務履行上、情報技術を活用し、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ包摂的な意思疎通を行う図り、協働すること。
  • 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

想定質問

想定される質問形式は以下の通りです。

1.「コミュニケーションに関して工夫した経験を教えてください」

2.「業務詳細の中で、コミュニケーションに関して工夫したことはありますか?」

3.「発注者とのコミュニケーションの中で、何か工夫した経験はありますか?」

1は、コミュニケーションを工夫した経験を聞く最も一般的な質問形式です。

2では、業務詳細に記載した業務の中に限定してコミュニケーションを工夫した経験を聞いています。コミュニケーションに限らず、マネジメントや評価に関しても、業務詳細に記載した内容について聞かれることが多いので、業務詳細に関連づけたエピソードを一つ用意しておくのがおすすめです。

3は発注者との関係に限定した質問です。限定される対象は基本的に発注者です。発注者関連のエピソードを準備していけば問題ありません無い場合には正直に発注者との関係がないことを伝えた上で、他の関係者とのコミュニケーションにおける工夫を述べればOKです。

回答のコツ

技術士二次試験の口頭試験でコミュニケーションについて問われた際、どのように回答するのが良いのでしょうか?

質問としては、「あなたが業務において行ったコミュニケーションの工夫について教えてください」と聞かれます。

それでは回答のポイントを整理してみていきましょう。

的外れな解答をしてしまう人

特に多いのが、全く的外れな回答をしてしまう人です。

技術士二次試験におけるコミュニケーションは、一般的に言われるコミュニケーション能力のうちの一部を指しています

つまり、一般的なコミュニケーションについて述べてしまうと、場合によってはそれが技術士試験におけるコミュニケーションの範囲外の事柄である場合があるのです。

そうなると、試験官が聞きたい内容から大きく逸れた解答となってしまいます。

先述したコミュニケーションの定義とともに、後述するように、コミュニケーションの質問において面接官が知りたいことは何か?ということをきっちりと理解しておいて下さい。

面接官が知りたいことを理解せよ

コミュニケーションに関する質問において、面接官は何を知りたいのでしょうか?

多様な関係者間の調整については、リーダーシップに関する項目で評価することができます。

それなのに、なぜわざわざコミュニケーションという採点基準を作っているのでしょうか?

ここに、リーダーシップとコミュニケーションの違いを明確にしておく必要があります。

まず、リーダーシップとは、多様な利害関係者間の調整により業務を進めることです。

一方、コミュニケーションとは、関係者間の明確かつ包摂的な意思疎通を図り、協働を促すことです。

「包摂的」という言葉が難しいですね。

ここでいう「包摂的」とは、「相手の意見を尊重し受け入れること」という意味です。

リーダーシップは利害調整による業務遂行という物理的なところに重きを置いているのに対し、コミュニケーションは互いの理解と尊重、納得した上での協働という、関係者のモチベーションや意識のところに重きがあります

本来はこの違いを理解して欲しいのですが、難しい場合には、リーダーシップを発揮するためにコミュニケーションを利用すると考えてみてください。

関係者間の調整のために、関係者間の意思疎通を工夫するということです。

ずいぶんと分かりやすくなりましたね。

発注者とのコミュニケーションについて述べる

コミュニケーションの工夫は、社内のコミュニケーションについて述べないようにしましょう

なぜなら、技術士会によるコミュニケーションの定義に、「多様な関係者」という文言があるためです。

一番いいのは発注者とのコミュニケーションについて述べることです。

次が地域住民や下請業者などで、最後が社内の上司や同僚です。

コミュニケーションがリーダーシップを補助する立ち位置であることを踏まえると、利害の異なる関係者間の意思疎通であることが求められるからです。

また、面接官からの質問においても、発注者とのコミュニケーションに限定した質問形式の場合もあります。

発注者とのコミュニケーション経験があるのなら、それを解答するようにしましょう。

受験者の約半数が間違えるポイント

約半数の受験者が「何度も発注者に説明をしに行き」など、回数を重ねることを工夫として述べてしまいます。

しかし、そこには何の考えもなく、同じことを繰り返しただけのことを工夫とは言いません

単純接触効果がどうこうなんてのは営業職のメンタルケアやもっと心理的要素の強い分野でしか通用しません。

コミュニケーションの項目でアピールすべきは、3次元図面を用いたプレゼンテーションや試験施工の立会による正確な情報伝達など、正確な理解を促進し、包摂的なコミュニケーションを心掛けたということです。

回答例文

口頭試験の回答は個別の経験に基づくものなので、回答テンプレートとまでは言えませんが、以下のような文章構成に沿って答えるとよいです。

解答例文テンプレート

業務詳細に記載の業務において、対応方法について発注者へ説明する際に、計画時から使用していた3次元図面を活用して施工の各段階におけるイメージを作成して共有することで、施工範囲及び隣接構造物との支障や離隔について正確な意思疎通を図り、それにより1ヶ月という短期間で発注者の承諾及び補修の計画・施工を完了させました。

まず、発注者とのコミュニケーションに関するもの、かつ業務詳細に記載した経験について書いています。

これら2つは質問時に限定される可能性があるので、どちらも含んだ解答であれば、一つ用意するだけでどちらの場合にも対応できるので便利です。

内容としては、3次元図面を用いて正確なコミュニケーションを図ったという工夫ですが、それについて業務詳細の内容に沿って色々と具体化して書いています。

実際に使用される場合には、ご自身の業務内容に合わせて使用して下さい。

多くの方は、コミュニケーションの工夫として、図面を用いて正確なコミュニケーションを図ったという話をすることになります。

周りの話を聞く限りでは、8割の方が図面による意思疎通について話されているようでした。

周りと違うことにメリットはありませんので、同様の経験があるならそれについて述べるのがおすすめです。

まとめ

技術士二次試験の口頭試験におけるコミュニケーションに関する回答方法について、ポイントをおさらいしましょう。

  • 範囲を限定された質問の場合もあるが、業務詳細に記載した業務の中で発揮した、かつ発注者とのコミュニケーションについて準備しておけばOK(経験が無い場合は正直に答え、別の範囲で工夫したコミュニケーションについて話さばOK)
  • 技術士二次試験におけるコミュニケーションの定義を理解しておく
  • 何度も説明したという力技は工夫とは言わない
  • 図面による説明に当てはまる経験があるならそれを使うのがおすすめ

以上、今回は技術士二次試験の口頭試験で問われるコミュニケーションについて解説しました。

その他にも口頭試験ではリーダーシップ、マネジメント、評価に加え、技術者倫理と継続研鑽も評価対象となっていますので、ぜひそちらの記事もチェックしてみてください。