今回は、技術士の建設部門でも頻出の建設現場の3大災害についてまとめました。
実際の施工現場とともに、技術士試験にお役立てください。
建設現場における災害(事故)として最も多いのが以下の3つです。
- 建設機械・クレーン等災害
- 墜落・転落災害
- 崩壊・倒壊災害
1.建設機械・クレーン等災害
大きいゼネコンでも年に数件は必ず起きてしまうのが建設機械による災害です。
作業中の重機の横を通っていたら急に旋回した重機と接触して怪我をしたとか、玉掛け中にワイヤに手が挟まって巻き込まれた等です。
原因は、
- 重機の死角だった
- 誘導員不足
- 重機のオペレーターとの意思疎通不足
等が挙げられます。
特に重機の近くを通る際はオペレーターに合図し、必ず銃器を止めさせてから通らなければいけません。
また、玉掛けについても作業を急いだために手が引っかかったままでワイヤを巻いてしまったというのが多く、相互の意思疎通不足が原因です。
労働者人口が減少傾向にある今、安全確認に人員を配置するわけにもいきませんので、オペレーターとの一対一でコミュニケーションを取り、自身の安全を確保するのが第一です。
その上で、重機周辺の人を感知するセンサーを取り付けるなど、機械による安全確保を実施している現場もあります。
少し毛色が違いますが、クレーンで定格荷重以上釣れないように警報が鳴ったり、自動的に旋回を制限するIT建機もあります。
2.墜落・転落災害
仮設足場など高所作業時の転落や、足場の隙間の開口などからの転落などがあります。
原因は、
- 開口部の養生(囲い設置)不足
- 安全帯の不使用
- 足場幅の不足
- 急ぎ作業
等があります。
現場には小さな段差や開口部がいくつもありますが、いちいち囲いを付けなくていいやという作業員が多いです。
また、それに慣れているため安全帯を使わずに身を乗り出すなんてこともザラにあります。
そこで「安全帯!」と言ってあげるのが現場監督車の務めです。
また、最近は特にベトナム出身の若くて身軽な作業員が多いため狭い足場でも軽々と登ってしまいますが、小さく身軽だからこそ隙間から転落するリスクが大きく危険です。
対策として、開口部や中床スラブは、外壁先行で囲いを設置し、内部の開口はユニット型としましょう。
VRを使った安全帯教育も広く実施されており、あたかも墜落したかのような感覚を味わうことで危険意識が向上します。
3.崩壊・倒壊災害
大きなものだと、足場が崩壊する、倒壊して人に当たる等の災害です。
小さなものだと立てかけてあった看板や足場板が倒れて下敷きになるなどです。
物は小さいですがどちらも命に関わる大きな災害です。
原因としては、
- 立てかけて保管してはいけないものを立てかけた
- 不安定なところに物を置いた
- 手抜き、近道作業
等です。
足場板なんかは本来立てかけては行けないですし、他の物で立て掛けざるを得ない場合でも3点支持で転倒しないようにすべきです。
また、これは墜落災害とも関係深いですが、足場の足場板を片方止め忘れてしまい、シーソーのように回って足場が無くなって墜落したという事故もあります。
また、足場設置の際に故意に手抜きや近道作業により不安定な構造となっているケースもあります。
対策としては、施工手順の見直しをはじめ、仮設構造物で一時的な足場であっても安全装置を設置してから使用するなどです。
ひと手間増えてしまいますが、手抜きや近道作業を行えなくなり、結果として工事中断を防止でき、工程が改善できます。
以上今回は建設現場における3大災害について原因と対策をご紹介しました。
ほんの一例ではありますが、実際の施工現場とともに技術士試験にもぜひお役立てください。