レディミクストコンクリートとは、工場でJIS A 5308で規定されている、工場で練り混ぜをしてから現場に運搬されるコンクリートのことです。
いわゆる生コン、生コンクリートです。
種類
練り混ぜはミキサを使用しますが、重力式ミキサ、強制練りミキサの2種類に分類されます。
重力式ミキサ
重力式ミキサとはアジテータ車(トラックミキサー)と同様に、らせん状の羽根を回転させてコンクリートを持ち上げ、溢れた分から順に落としていくミキサです。
強制練りミキサ
強制練りミキサとは、調理に使うミキサーと同じ仕組みで、回転するカッターによってコンクリートを切りながら練り混ぜを行うミキサです。
強制練りミキサにも2種類あり、調理用ミキサーと同様に1つのカッターが回転して練り混ぜを行う「パン型」と、2つのカッターが回転し、そのせん断によって練り混ぜる「2軸型」があります。
練混ぜ時間のルール
練り混ぜ時間の規定としては、練り混ぜたコンクリートの単位モルタル質量の差が0.8%以下であることと、粗骨材の単位質量の差が5%以下であることが満足されれば練り混ぜ完了とされています。
ただし、ミキサの種類によっておよその練り混ぜ時間が分かります。
重力式ミキサでは1分30秒、より硬化的に練り混ぜる強制練りミキサでは1分を目安に練り混ぜを行います。
長く練混ぜると、骨材が割れる・空気量低下・セメントの初期凝結が進行・スランプ低下が発生してしまうため、所定時間の3倍以上練混ぜてはならないと規定されています。
ちなみにアジテータ車のミキサ規定としては、アジテータ車内の1/4と3/4の高さから採取したコンクリートのスランプ差が±3cm以内であることが必要です。
コンクリート製造工場(プラント)
レディミクストコンクリートを製造する工場は下図のような構造です。
べストン株式会社より
軽量骨材を扱う場合は練り混ぜ前にプレウェッティング(プレソーキング)を行うために、貯留設備内に散水設備を設ける必要があります。
プラントの選び方
コンクリートは練り混ぜから120分以内(夏季は90分以内)に打ち込みを完了しなければいけません。
そのため、コンクリートプラント(バッチャープラント)を選定する場合には、現場から20〜30分以内のプラントを選択します。
近くにプラントが無い場合は、現場内に仮設プラントを設けます。
また、目的の材料を取り扱っているかどうかを事前に確認しておきましょう。
ここでより実務的な話をすると、ゼネコンごとに付き合いの長いプラント会社があり、よほど工事監督者に権限が無い限りはそちらを利用します。
他のプラントよりも多めに値引きしてくれますし、何より選定のための時間の節約になります。