材料分離とは?分離抵抗力を理論で理解する!単位水量や細粒分の影響も解説します

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材料分離とは、コンクリート中の骨材とペースト分が分離し、豆板(ジャンカ)や局部的に強度の弱い箇所が発生してしまうなど、構成材料が不均一となる現象です。

コンクリート内の水分が経時的に表面に上昇していくブリーディング現象も材料分離の一種です。

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材料分離と骨材粒径

材料分離のしやすさは、「骨材を分離させようとする力」と「分離に抵抗する力」の差で計算されます。

分離させようとする力は骨材の自重=重力による力で、「密度×体積×重力加速度g」で計算されます。

体積に比例する、すなわち粒子径の3乗に比例するということです。

一方、分離抵抗力は重力により移動する粒子が周囲のモルタルから受ける摩擦力です。

摩擦力は表面積×せん断応力であることから、骨材の表面積に比例、すなわち骨材粒径の2乗に比例します。

このことから、骨材粒径が大きくなったとき、粒径の3乗に比例する分離力の方が増加量が大きく、粒径が大きくなると分離しやすくなります。

一般に粗骨材最大寸法が大きくなると流動性が向上するといわれているのも同じ理屈です。

材料分離の粒子単位の荷重図

単位水量による影響

単位水量や水セメント比が増加するとペーストがシャバシャバになり、分離しやすくなります。

スランプを増加させようとして単位水量を過大にすると材料分離が生じてしまうのでほどほどに。

骨材の形状による影響

骨材の粒径と材料分離の関係をお話しましたが、同じ粒径でも形状によって材料分離のしやすさが異なります。

丸みを帯びた形状であれば、コロコロとまんべんなく広がってくれるため、材料分離は起きにくいです。

一方、扁平なものや細長い骨材だと、コンクリートを流し込んだときに転がりづらく、遠くまで広がるペースト分と分離してしまいます。

細骨材の細粒分による影響

細骨材の細粒分とは、75μm(=0.075mm)のふるいを通る細骨材のことで、微粒分とも呼ばれます。

細粒分が多いとコンクリートの粘性が大きくなり、骨材表面に作用する摩擦力(粘着力によるせん断応力)が大きくなるため、材料分離抵抗性が増加して分離しにくくなります。

 

以上、材料分離について解説しました!