コンシステンシーとは、コンクリートの変形と流動に対する抵抗性のことで、フレッシュコンクリートの性質の1つです。
ワーカビリティの確保しながらも材料分離を防止するために重要な指標です。
この記事を最後まで読むと、コンクリートのコンシステンシーに関する試験での頻出問題の基礎は完璧になります。
測定方法
コンシステンシーの測定方法として下記3つの方法があります。
フレッシュコンクリートに一定の外力を与えたときの変形量から測定する方法
Ex.スランプ試験
フレッシュコンクリートに一定の変形量を与えるための必要な仕事量から測定する方法
Ex.振動台コンシステンシー試験
レオロジー定数から測定する方法
レオロジー定数とは、フレッシュコンクリートの降伏値と塑性粘度のことです。
降伏値はスランプ試験をしたときにコンクリートが崩れ始めるときの値で、降伏値が小さいほど崩壊しやすいです。
塑性粘度は崩れ始めた後の状態(=塑性状態)における粘度を表し、塑性粘度が小さいほど広がりやすいです。
Ex.二筒式回転粘度計、球引き上げ式粘度計
コンシステンシーを決める主要因子
コンシステンシーは単位水量・空気量・水セメント比・骨材量などによって変化します。
単位水量:
一般に単位水量が1.2%増加するとスランプが1cm増加します。
単位水量が多いと、シャビシャビのカレーみたいな感じでスランプが増加するイメージです。
空気量:
空気量が1%増加するとスランプは2.5cm増加します。
つまり、空気量1%が単位水量3%に相当します。
スランプが小さい粘り気のあるものは空気が入りづらいのです。
水セメント比:
水セメント比が大きいと流動性が向上します。
これは何となくイメージしやすいですよね。
骨材:
粗骨材の最大寸法が大きくなると、単位水量および単位セメント量を減少させることができ、コンシステンシーに影響します。
また、細骨材率もほどよい最適値があります。
コンクリートの練上がり温度
コンクリートの練上がり温度が10℃上昇すると、同じスランプを得るために単位水量を3~5%増加させる必要があります。
コンシステンシーが悪いとどうなる?
コンシステンシーはコンクリートのワーカビリティに直結しており、ワーカビリティが悪いと材料分離や充填不足などの問題が生じます。
材料分離が生じると粗骨材が局部に集中したり、ブリーディングが発生して脆弱なレイタンスが生じやすくなったりして、コンクリート構造物として機能が低下します。
以上、コンクリートのコンシステンシーについて解説しました。