さて、技術士二次試験に向けて毎日勉強を続けている皆さまへ朗報です。
勉強せずにコピペで合格できる解答文章テンプレートを用意しました。
技術士試験の形式は記述式で、何が得点になるのか分からず困っているのではないでしょうか?
そこで、技術士二次試験でそのまま使える解答文章テンプレートをご紹介します。
今回は技術士二次試験ー建設部門ー「施工計画、施工設備及び積算」、選択科目Ⅱ-1における頻出問題である、「軟弱地盤上に盛土を施工する際の留意点」に関する問題について解説していきます。
問題文
軟弱な地盤上に盛土を設置する場合に想定される変状を説明せよ。また、その変状への対策方法を2つ挙げて説明せよ。
ここでのポイントは、軟弱地盤上に盛土荷重が作用した時に、軟弱地盤の沈下、崩壊に対する安全性です。基礎地盤の変状は同時に盛土の崩壊や盛土高不足を意味します。
必要な知識
解答文章テンプレートを見る前に、まずは解答のポイントを整理しましょう。
解答には軟弱地盤の破壊挙動に関連して、少なくとも以下の知識が必要となります。
- 基盤粘性土の圧密沈下
- 基盤の円弧滑り
- 盛土範囲外のリバウンド
- サンドコンパクションパイル工法
- 敷網工法
他にも懸念される変状や対策は考えられますが、例えば上記を考慮した文章を作成するとします。
骨子
基盤粘性土の圧密沈下
軟弱粘性土地盤上に盛土されたとき、基盤粘性土層が盛土荷重により圧密排水されます。
基盤が圧密沈下すると、盛土も沈下するため、品質不良になります。
基盤の粘性土層の厚みが場所によって異なる場合は、場所ごとに圧密沈下量に差が生じ、不同沈下の恐れがあります。
圧密沈下は長期にわたる変化のため、事前の対策とともに施工後も計測管理を実施し、万が一の際に向けた対応計画を作成しておく必要があります。
それでは基盤粘性土層の圧密沈下に対する対策を見ていきましょう。
圧密沈下の対策には、①荷重の抑制と②排水促進が有効です。
プレロード工法(載荷盛土工法)
圧密沈下については、盛土施工前に沈下を落ち着かせておくことで、盛土後の沈下量を低下させることが可能です。
そのためには、盛土に先行して荷重を載荷しておき除荷してから盛土を施工する、プレロード工法が有効です。
緩速載荷工法
盛土を高さ方向に細かくブロック割し、ゆっくり施工することで、都度基盤の圧密沈下を落ち着かせていき、盛土完成後の沈下量を低減する工法です。
特別な重機は必要ないためコスト面で優れていますが、施工に時間を要します。工期に余裕がある場合に有効な工法です。
軽量盛土工法
発泡スチロールなど、土よりも軽量な材料を用いて盛土を行う工法です。上載荷重が小さいため圧密沈下量を低減できます。EPS工法が代表的です。
サンドコンパクションパイル工法
軟弱な粘性土を削孔し、排水性能の高い砂を充填する工法で、砂杭から排水が可能になるため排水経路が短くなり、圧密を促進します。
同時に砂杭挿入により地盤が横から拘束され、せん断抵抗力が増加します。
基盤の円弧滑り
次に、軟弱な土層はせん断抵抗力が小さく、滑り破壊に対する安全率が小さい傾向にあります。
ここでいう滑り破壊とは、基盤が傾斜している場合や崖など階段状になっている場合に加え、下図のように平坦な地盤においても滑り破壊の発生リスクがあります。
このような滑りは、軟弱な地盤で、かつ盛土荷重が大きいために生じるものです。
それでは対策を見ていきましょう。
地滑り対策には、抑制工と抑止工があります。技術士試験では頻出なのでよく覚えておきましょう。
抑制工とは、上載荷重や間隙水圧など自然条件のを調整することで、地盤を滑らせる力と地盤が滑りに抵抗する力のバランスを改善して、滑りの発生を防止する工法です。
一方、抑止工とは、杭などの構造物を設置し、その物体力によって滑り土塊に抵抗させる工法です。
両者は違うようでいて、目的自体は同じです。
滑りは、滑り土塊の重量で決まる滑り力に対して、土塊のせん断抵抗できまる滑り抵抗力が十分に大きければ滑り破壊を防止できるというメカニズムであり、抑制工も抑止工も滑り力を減少させたり滑り抵抗力を増加させるものです。
詳しくは別記事にまとめようと思いますので、投稿楽しみにしていてください。
敷網工法
ここでは盛土特有の対策として、敷網工法を取り上げます。
敷網工法は、ジオテキスタイルなどの材料を盛土中に一定高さごとに設置する工法です。
敷網工法には3つの効果があります。
盛土範囲外のリバウンド
盛土直下の土は、盛土荷重を受けて圧縮されるとともに行き場を失って外へ逃げようとします。
それにより盛土範囲外の土は横から押され、上へ隆起(リバウンド)しようとします。
盛土荷重を低減することで盛土範囲外へ押し出される力を減らす、リバウンドを押し戻すために盛土範囲外に上載荷重を与える対策が考えられます。
軽量盛土工法
盛土荷重を減少させ、盛土範囲外へ押し出す力を低減します。
解答文章テンプレート
上記を踏まえた解答文章テンプレートがこちらです。
(選択科目Ⅱ-1は答案用紙600字×1枚です)
(1) 課題
1.圧密沈下
盛土荷重により基盤が圧密沈下する恐れがある。圧密沈下は長期に及ぶ現象であり、施工後の盛土高が低下する。また、軟弱粘性土の層圧に差がある場合、不同沈下し上部構造物に影響を与えるおそれがある。
2.滑り破壊
盛土荷重を受けて円弧滑りが発生する恐れがある。
3.盛土範囲外のリバウンド
盛土荷重を受けた土は行き場を失い、盛土範囲外へ移動し、盛土範囲外で地盤が隆起、周辺の地盤や構造物の安定を損なう恐れがある。
(2)対策
1.サンドコンパクションパイル工法
軟弱な粘性土地盤をオーガーで掘削し、透水性の高い砂で砂柱を造成する工法。周囲の土が締まりせん断抵抗力を増加するとともに、粘性土の排水経路を短縮することで圧密を促進し、盛土施工後の沈下量を低減する。
2.敷網工法
一定の高さごとに盛土にジオテキスタイル等の補強材を設置する工法。補強材の引張抵抗力、土と補強材の摩擦及び噛み合せ、圧密促進による盛土及び地山の見かけのせん断抵抗力増加により盛土の滑り破壊を防止する。ジオテキスタイルは必要に応じて強度の選定が可能であり、幅広く変状を抑制できる。
以上、今回は軟弱地盤上の盛土工事における課題や留意点とその対策について、解答文章テンプレートを紹介しました。
その他の課題についても解答文章テンプレートをアップしていく予定ですので、ぜひ記事をチェックしてみてください。